包皮の口が狭すぎるのが原因

一般に、包茎は真性包茎・仮性包茎・カントン包茎の3種類に分けられます。このうち真性は平常時・勃起時とも包皮が亀頭を完全に覆っている状態を、仮性は通常は亀頭が覆われているが手で剥いたりすれば露出する程度の状態をそれぞれ指します。

これに対してカントン包茎は、真性と仮性の中間程度の状態と説明されることが多いですが、厳密に言えば少し違います。真性及び仮性が陰茎のサイズに比べて包皮が長すぎることが原因であるのに対し、カントン包茎は包皮の先端にある開口部、すなわち包皮口が亀頭の直径よりも狭すぎるために起こります。

したがって、同じカントン包茎でも亀頭を完全に覆っているものから先端が多少露出するものまで、1人1人程度が異なります。

カントン包茎のデメリットは他の場合と同様、包皮の内部が不衛生になりがちだという点です。しかしその他にも、「締め付け」という独自のデメリットもあります。この場合は、治療を施さないと陰茎に重大な影響を及ぼしかねないので注意が必要です。

男性機能が失われてしまうおそれもある

カントン包茎は包皮口が亀頭の直径よりも狭いため、手で剥こうとするとカリ首の部分に引っかかってそれ以上剥けなくなったり、痛みを感じたりします。そしてどうにか剥けたとしても、今度は戻ろうとする時にやはりカリ首に引っかかってそのまま包皮が動かなくなってしまうことがあります。

すると、狭い包皮口が陰茎を強く締め付ける結果となり、さらに激しい痛みを生じさせることになります。そればかりか、締め付けによって亀頭の先端に血液が届かなくなり、いわゆるうっ血状態におちいるおそれがあります。

うっ血状態が長く続くと細胞に栄養分が行き渡らなくなり、新陳代謝が行われなくなります。そのため、徐々に組織が壊死していきます。壊死が起こると男性機能に重大な支障を来し、最悪の場合は切断するほかには治療しようがなくなります。

このような事態を避けるには、早めの治療が肝心です。他の包茎の場合と同様、カントン包茎は外科治療によって改善することが可能です。

まとめ

カントン包茎は包皮の開口部が狭すぎるために起こるタイプの包茎で、無理に剥いたりするとカリ首に包皮が引っかかって元に戻らなくなり、陰茎がうっ血してしまうおそれがあります。

この現象はちょっとした摩擦でも起こることがあるため、放置していると正常な性生活を営むのに支障を来すこともあります。専門医の診断を受け、外科治療によって包皮の一部を切除して開口部を広げれば、こうした問題を心配しなくても済むようになります。